店主の独り言
はじめまして、店主の田宮です。
染織 田宮は、予約制にてご相談を承る呉服屋でございます。
お客様の目線では「予約制」は面倒でわずらわしいことかもしれません。
そこで、この予約制に至るまでの経緯を少し。
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私が業界に入った30年程前は、バブルがはじけたとはいえ、大きな展示会場にたくさんの商品が並べられ、着物が良く売れておりました。
当然ビジネスですから販売重視になり、着物のお手入れ (シミ抜きや寸法直しなど) は後回し。
当時は呉服問屋で修業中、経営のことなどわからない身としては
「購入するお客様より、お手入れのお客様の方が、実際着てるんじゃないのかなぁ…」
この思いは、その後も続いておりました。
ゆっくりお手入れを承りたい、これが予約制の理由その①
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「試着したら、何だか買わないといけない雰囲気で…」
「この場で購入を決めてくれたらお安くしますよ…」
このページまでたどりつかれた方は、こんな経験または聞いたことがあると思います。
ショッピングとしての衝動買いは否定しませんが、極力無駄のないお買い物が良いと思います。
専門家の意見を聞きながら、冷静にご自身で判断して購入していただきたい、これが予約制の理由その②
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「欲しいのはコートなのに、訪問着と袋帯しかないの?」
「花柄は好きじゃないのに、花柄ばっかり…」
事前にご要望を伺えたら、お互いに時間の無駄がない、これが予約制の理由その③
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呉服に関することは信頼関係が重要です。
当店では20年以上お付き合いいただいているお客様も多数いらっしゃいます。
予約制ではありますが、「何かを購入しなければいけない」わけではありませんので、まず初めは気軽にご相談ください。
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ここで私自身のことも。
呉服に携わって今年で32年になります。
この経験の中で大切にしていることが2つあります。
①「着物姿の重要なポイントは帯」
着物姿を見かけると、なぜだか不思議と帯に目線がいきませんか?
「良い帯を締めていると着物が褒められる」というお話も耳にしますね。
また、舞台衣裳やCM撮影に携わる方達と話していると「イメージを伝える時に大切なのは帯です」とも。
同じ着物でも帯を変えるだけで雰囲気はかなり違ってきます。
着物姿の重要なポイントは帯です。
お手持ちの着物に合わせる帯選びは、当店におまかせください。
「出過ぎず、引っ込み過ぎず。」を基本にコーディネートのご提案を申し上げます。
②「職人のものづくり」
ファッションの側面から言えば
「素敵」「キレイ」「かわいい」「上品」「カッコイイ」
品物選びはこれで良いのかもしれませんが、そこに「ものづくり」も足してお話ししております。
これは、職人さんの技が継承され仕事が継続して欲しい、という想いから。
〜伝わることで理解が深まり愛着がわく、工芸の用と美を身近に。〜
こう題して全国の職人技を紹介する「職人展」も開催しております。
ぜひお近くでご覧ください。
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お読みいただき誠にありがとうございました。
平たく言えば「着物の悩みを解消する」ことが私の仕事です。
小さな店構えではありますが、作り手とお召しになる方、双方に寄り添って営業しております。
どうぞご贔屓に。